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元JVCケンウッド音質マイスター 萩原光男 が行く「世界音紀行♪」 第2章

萩原光男さんが行く「世界音紀行♪」の第2回目、今回は萩原さんが展示会を通してドイツをどのような視点で感じたのかお楽しみ下さい。

第2章 「小春日和のシュツッツガルトでの展示会」

今回の東京ブラインド工業㈱の出展の目的は自社で開発したフェルトーンという、吸音ブラインドを試聴室で展示し、実際に音出しをして、その効果を来場者に体感してもらおうというものです。その為にもオーディオフェア並の立派な試聴室を作り、よりレベルの高いAVシステムでDVDを体験してもらいました。

26日、いよいよ展示会開催を明後日に控え、朝から会場に入ってブースのセッティングです。ブースのセッティングは28日の展示会初日までに間に合わせればいいので、時間的には余裕がありました。無事にセッティングが終わり、音出しをして音の調整を始めました。セッティングが終わって「ホッ」としたのも束の間、いろいろ足りないモノが出てきます。次はシュツッツガルトの市内まで行って色々買い物です。

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日本から船便で送りました。

ドイツには日曜日に商店の営業規制があるので、26日の日曜日はお店はやっていません。翌日の27日にシュツッツガルトの中心街に行き、買い物をしました。

オーディオ関係の部品なので、家電店でもオーディオ売り場がなければ買えません。中心街には大きな家電店が2軒あり、最初に行ったお店ではオーディオ売り場はありませんでした。

売っていなかったらどうしようと、ちょっと心配しましたが、次のお店には売っていました。しかし、ホームオーディオの売り場面積が小さくなっていることには驚きました。ケンウッド時代の4年ぐらい前にもヨーロッパに来たことがありましたが、すでにオーディオ売り場は片隅の一角に追いやられていましたが、それ以上とは・・・。ともあれ、どうにか必要なオーディオパーツを購入して会場に戻りセッティングを済ましたのでした。

ところで、会期中の欧州は暖かい日が続きました。シュツッツガルトでも雪はなく街を歩くにも薄手の冬用コートがあれば大丈夫でした。1月にはライン川も凍結、というニュースを聞いていたので、数年前にスウェーデンとロシアに行った時に着たモコモコの厚いダウンを持っていったのですが、ドイツでは邪魔な荷物になってしまいました。実を言うとウィーンでは役立ったのですが・・・。

ここでシュツッツガルトについて紹介しておきましょう。シュツッツガルトはドイツの南部に位置する都市で人口は59万人です。日本の都市で言うと、宇都宮市が52万人ですからそれよりちょっと大きな街です。ベンツやポルシェ、世界的な電装メーカーボッシュ社もありドイツを代表する工業都市です。駅ビルの屋上にベンツのマークがあってゆっくり回転しているのが象徴的です。

一方、雑誌社も大学も多くあり、文化的な都市です。オーディオ関係の主要雑誌社がここにはあるのでケンウッド時代はほとんど毎年来ていました。

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シュツッツガルト中央駅です。時計台の上にベンツマークがあります。

ドイツ経済にとってこのような展示会は大きな役割を持っているように思います。(展示会のことをメッセと言います。以下、メッセ)

ここで、私なりに現在の好調なドイツ経済を支えている要因を考察してみたいと思います。

ドイツの工業製品のモノ作りについて語るときは、その精度の高さと細部まで配慮された緻密さをあげなければなりません。

しかもシステム指向がしっかりしているので、緻密に作られたものを大きな構造物にまで作り上げます。優秀な車作りはその最たるもので、精密加工技術と速く走るという目的のために、ハードとソフトの技術を集結しています。その基礎は・・・

・物作りの規格と基準が決まっていて法律でも明確になっていること。

・出来上がったモノに対する品質基準が法律で決まっていること。

・技術を支える教育システムがあること。

・製品が市場に出回ると、各雑誌が製品評価をすること。

ドイツにはたくさんの、製品評価雑誌がありますが、それらの雑誌は、メーカーと馴れ合いにならず、きちんと消費者目線で評価します。口紅から車まで様々な商品を評価するのです。

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シュツッツガルト郊外 ホテル近くの地下鉄の駅です。

今回のR+Tメッセもそのような優秀なモノ作りをして、その製品を市場に紹介していくシステムの1つで、ドイツには出版関係やおもちゃなど色々なジャンルの有名な展示会が各地で開かれています。

そして、このようなメッセが都市の経済に大きな役割を果たしています。物流関係や展示会場設営業者など、様々な他業種によって周辺をサポートするシステムが構築されています。

また、周辺ホテルでは会期中はホテル代が2~3倍になります。会期中の夜は業界関係者のパーティーや会食が行われ、街にお金が落ちます。シュツッツガルトは盆地にあり、車で20分ほどの郊外のメッセ会場から市内に入るには道路が決まっており、会期中のアフターファイブは街に向かう車で大渋滞です。そして夜はあちこちで宴が催されるのです。


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