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元JVCケンウッド音質マイスター 萩原光男 が行く「世界音紀行♪」 第7章

萩原光男さんが行く「世界音紀行♪」の第7回目、今回は旅行者から見たウィーンに迫ってみます。

前回までは、音楽関係が中心でしたが今回はあえて、旅行者としてウィーンについて語ってみたいと思います。それでも、やっぱり音と音楽の話になりそうですが、お付き合いください。

1.二人旅ウィーン

今回のウィーン旅行は3回目ということもあり、ゆっくり楽しめました。リラックスできたもう1つの理由に、実は友人と一緒の旅行だったのです。サラリーマン時代に欧州市場の仕事に関しては彼と一緒にやってきました。一人旅もいいものですが、気心の知れた友人とする旅もいいものです。

2.ウィーンではケーキを食べなければ!

私のウィーン旅行の楽しみの1つは、クリームのたっぷり入ったウィンナーコーヒーを飲みながらケーキを食べることです。ガイドブックに載っている有名店で食べるのが良いのでしょうが、私は一般的な店で食べるのが好きです。今回は、アイーダという店で食べました。コーヒーとケーキを店内で堪能し、この店で家内のお土産にとケーキを何種類か買って帰りました。ウィーンのケーキが好きなのは、ケーキに入っている香料の香りが食べたあとにほのかに残っている感覚が好きなのです。日本にもたくさん美味しいケーキがありますが、日本のケーキではこの感覚は味わえません。

日本人はどんなものも透明感がキーワードで、ケーキに関しても透明なすっきりした味わい、すっきりした甘さがポイントなのではないでしょうか。こういったところは欧州文化との違いを感じるところです。

いずれにしても食の楽しみは、食べる前、食べている時、食べた後に残る感覚です。この食べた後の香料の感覚は、ウィーンとハプスブルグ家300年の歴史か・・・と思うのです。

美味しいケーキを当たり前のように食べるというのは案外難しいものです。旅行記などを読むとウィーンで食べるケーキは当たり外れもあるようですし、私も前日に同行の友人と店の外観が気に入って入店して失敗しました。リベンジのために今度はお客さんの入りの良い店に入ったら、大正解でした。

ウィーンのケーキ文化は宮廷を中心に育ったもので、マリーアントワネットがフランスに嫁ぐ際ケーキ職人をつれて行って世界中にケーキが広がったという話もあるくらいです。

文化が成熟すると、ティーやコーヒーで寛いで楽しい時間を過ごすなど、時間の使い方が豊かになります。飲み物と共にケーキやクッキーを楽しむなど、イギリスにも宮廷御用達のクッキー文化があります。日本でも江戸時代に花開いた文化がたくさんの美味しいものを生み出しました。

このような食事以外の、食の楽しみ方も世界にはたくさんあります。

スナック菓子ではイギリスのポテトチップスやビスケットなどに美味しいものがあります。イギリス出張の際には、トランクいっぱいに買ってきたこともあり家族に喜ばれました。

ドイツでもクリームの挟まったビスケットやウェーハウスのようなスナック菓子があります。勿論今回もたくさん買ってきて家族と一緒に食べました。

ドイツはハリボー(HARIBO―グミ菓子)というお菓子が有名で、どんなホテルにもベッドメーキングの後、枕の横にハリボーが置かれています。それほど一般的なのです。

私の音と音楽を楽しむ世界は、このような文化とか風土を学ぶところにもあります。

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ケーキを食べたアイーダ

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ウィーンのケーキ各種

3.ウィーンでの多国籍な外食事情

今回の旅行ではディナーにトルコ料理と日本料理を、昼食やコンサートの後の軽食には、マクドナルドと立ち食いの中華料理を食べました。ヨーロッパではどこでもそうですが、南や東の様々な国の人が働いていて、彼らが自国の料理を作って売って生業としています。日本で食べる外国料理の多くが日本人が作る外国料理であり、その点が大きな違いだと思います。勿論、日本でも外国人の就業規制が緩和されつつあり、その国の人が作っている店も少しずつ増えてきていますが。

逆の例では、寿司を海外で食べる時に感じます。寿司は今、世界中で一般的であり欧州の駅のキオスクでも売っているくらいです。シュツッツガルトにもたくさんお寿司が売られていましたが、ちょっと違和感がありました。因みに今回東京ブラインド工業がシュツッツガルトの展示会場内でパーティーを催し、それに使った寿司は、日本人のいる寿司屋のものでした。

食というものは、本質を味わおうとしたらやはりその食を産んだ国の人たちが作ったものでないと納得できないものがあります。困ったものですね。そう言えば、音楽でも日本で聞く外国の音楽が実は日本人の手が入って、日本風の音になっている例があります。ジャズやクラシッック音楽ポップスなどがマスタリングと言って、日本人好みに周波数特性がいじられています。レコード会社の好意なのか、本物に対する変質なのかは難しいところです。食も音楽も本物に近づくためには、現地を旅行して現地の空気を肌で感じる事こそ、大変重要なことだと思います。

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トルコ料理のレストランで

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ウィーンの有名な現地料理、ウィンナーシュニッツエル、日本のトンカツ総じて肉は脂身が少なくパサットしている

4.ウィーンでは誰が音楽を楽しんでいるか?

ウィーンでは有料のコンサートに3つ行きました。

ムジークフェラインザールのグローサザールと小ホールのブラームスザール、もう1つがジャズクラブです。同行の友人はクラシックよりもジャズの方が好きで、グラーサザールの帰り道、彼の執念がジャズクラブを見つけたのでした。(写真参照)

音も滑らかでさすがにこれもウィーンの音かな、と思いました。写真で見るように、天井がデコボコしています。これは、ジャズクラブが地下室にあるので地下を穴倉のように切削して掘り進んだノミの跡のようにみえました。そのデコボコが音を乱反射させて、滑らかにしているのです。2時間ほど聞いてホテルへの帰途についたのですが、あることに気がつきました。ミュージシャンや店員以外はほとんどがシニアかリタイアした人たちが夫婦で来ているのです。ムジークフェラインザールはというと、こちらもシニアが圧倒的に多い、ウィーンではどうもシニアが夜遊びをするのが習慣みたいです(笑)3年ぐらい前に冬のスウェーデンに行きましたが、ストックホルムでも夜遊びをしている人たちはシニアが多かったことを覚えています。

日本でもクラシックのコンサートはシニアが中心だと思います。ときどきコンサートにいくと若い人たちがいないので、クラシックも先が無いのか、と思ったりしたものですが、そうではなくて時間とお金のあるシニアが音楽の世界を支えているようです。2年前に日本でウィーンフィルをサントリーホールで聞いたのですが、このときは若い人達もたくさん聴きに来ていたので、クラシックを若い人も聞いているのか、と安心したものです。

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ウィーンのジャズクラブ

5.街の雰囲気や人々の印象

ウィーンと日本人ですが日本からウィーンへの直行便がないなどの理由もあるのか、日本人には人気のある観光地ではないようです。そんなこともあり、ウィーンにはいわゆる日本人のミーハーな観光客は少ないように感じました。3月なので卒業旅行のシーズンではあったのですが。

ここまで来るのは、我々のように、音楽という明確な目的を持ってくるのかもしれません。

中国の旅行者も多く感じました。ムジークフェラインザールの観客にもいました。声が大きいのでわかりましたが、中国の人たちも、明るい顔をしているのがとても嬉しく感じました。中国という国が経済的に重要になってきた自信というようなものが感じられます。

欧州に毎年くるようになって、25年ぐらいですが、その間、冷戦の終結など大きな変化がありました。現在も地域的に紛争があり戦争がなくなっているわけでは無いですが、少しずつ世界が安定してきている、と感じられました。

福島のことをウィーンでも心配してくれているなど、地球は一つなんだな、という感想を持って旅を終えたのでした。

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緑の党の被災地福島への募金活動


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